ひよこ組が行く!(ダンスビュウ12月号掲載)


ひよこ組といっても小さくてカワイイわけじゃない。ひであき・よりこの文字を取って自ら「ひよこ」と名乗る競技ダンサー。年齢は不詳だが、今年は日本インターのシニア戦に初めて出場。といえばちっとは想像がつくかもしれない。

静岡グランプリに出るには、東北・東海道と新幹線を乗り継いでいかなきゃならん。遠いのお・・・・・くじけちゃいけない、いざ出発だ。 新幹線のドアがあき東京駅に降り立つと、巨大なドライヤーからの熱風が顔を直撃した。なんという気温差。盛岡は26、7度で快適にすごしてきたものだから、呼吸も苦しくなるくらい暑い。今日の東京は37度ですって。ひー勘弁してください。まずは暑さに負けるなだ!

当日、静岡駅から電車に乗り約3分で東静岡駅前に到着。わあ・・・何もない。ここはグランシップのための駅のようだ。まだ8時というのに太陽はじりじりと照りつけ、セミはみんみんと鳴いている。そういや盛岡はまだ梅雨明けしてないからセミの鳴き声なんて聞いてない。遠いところにきちゃったなあ。暑くてぼおーっとなる。

8時半、受けつけ時間と同時に開場。選手控え室はなんと3階。うーーこの荷物持って3階かあ。きつい・・・でも久しぶりの競技会だ。楽しんで踊ろうー。 今年は春から病気になってしまい、思うように練習もできなかった。だから、元気でコンペ会場入りできるってことは何よりもうれしい。わくわくするなあ!

出場クラスはD級スタンダード、C級スタンダード、C級ラテンの3つ。 開会と同時にはじまったのがD級スタンダードだ。出場組数は80数組。厳しい数だ。踊り始めたらいろんなところから、ひよこ組の背番号が聞こえる。インターネットで知り合ったダンス仲間からのたくさんの応援だ!もおぉーなんて心強いんだろ。 D級スタンダードは1予選あたりでコケルわけにはいかないぞ。おし、通った。 C級スタンダード・・・・・うーーんあぶなかったけどなんとか通過。それにしてもまいった。1時間に1セクション。待ち時間がなんとももどかしい。この緊張感が持続するんだろうか。出場のたびに3階と1階を往復する。何往復したんだろう。C級スタンダードは2予選であえなく撃沈したが、D級スタンダードはしぶとく残っていた。準決勝まで残ったとき脳裏にまず浮かんだのは「決勝に残ったら挨拶どうするべ・・・」 そうなのだ。ここしばらく決勝入りなどしたことがなかったひよこ組、挨拶の仕方がわからない。と思っているうちに決勝残った!やった!1ポイント差で滑り込み。8人決勝だ。友人たちにかこまれて、よってたかって挨拶のご指導がはいる。そっか、女性はにっこり微笑んでドレスを持って・・・と。結果は8位。久しぶりに賞状がいただけた。

ちょっと待て。うれしがってばかりはいられないんだよ。午後からはラテンに出場なのだ。 1予選、無難にポイントゲットして通過。アクシデントは2予選でおきた。 ルンバで振り向いたら、若手のカップルの回転してきた腕がバスっとみぞおちに はまった。「うううっ苦しい、おえっ」 しかし、ここで私の知らない私が目を覚ました。きいーーっ!最後まで踊ってやる!そんな気合が突然出てきた。びっくりした。終わったら決勝に残っていた。 やったーー!6位だ。 朝9時半から延々夜の7時半まで緊張が続きすぎた。すごくうれしいはずなのに実感がない。とっても不思議な感覚だ。ダンス雑誌の取材もいっぱいだ。うれしい・・・ひよこ組もページの隅っこに小さく並んで載るに違いない。

ひよこ組は、この9月でダンスをはじめて丸4年になる。いっしょに競技デビューを飾った学生さんを勝手にライバルに仕立て上げ競いあい、4年間でどこまでいけるかがんばってきた。振り返ったらモダン、ラテンともにJBDF東部D級になっていた。子供のいない私たちとってダンスは、カワイイけど気まぐれでちょっと歩みの遅い子供のようなものだ。伸び悩む時期や反抗期もあるけど、大切に、でも厳しく楽しく育てて行こう。 「モダンが東部D級になったら、燕尾を新調してあげるね。」夫であるリーダーにそう約束した。思いがけずにそれは今年の6月に達成できてしまった。うれしい誤算だ。 9月からは新しい燕尾で、新たなひよこ組日記のページが綴られることになる。 身体が続くかぎり、ひよこ組は明るく元気に今日も行くのだ!